特定技能の1号と2号の違いをわかりやすく徹底解説!

2019年4月1日から、新しい在留資格「特定技能」が発行されました。特定技能には運転免許一種や二種等のように、1号と2号という属性があります。これから外国人労働者を雇おうとしている経営者の方は、今後特定技能についての知識が必要になります。どんな作業をさせる事が出来るのか?在留期間はどれぐらいなのか?等、ルールを知っておくことで効率的な人材育成も可能です。

今回は特定技能1号と2号の違いを中心に、わかりやすく徹底解説していきます。

 

特定技能導入された背景とは一体何?

溶接をしている様子

2019年4月1日から発行がスタートした在留資格「特定技能」ですが、この在留資格が導入されたのには理由があります。日本の社会全体が抱えている深刻な問題が、特定技能ビザの新規発行に至ったのです。

 

少子高齢化社会による担い手不足

 

以前から指摘されていた少子高齢化問題は経済界に大きな影響を与えています。近年、倒産や解散を申請する中小企業経営者のほとんどが60代以上で、後継者不足が深刻化しています。

 

経営者ばかりではありません。職種によっては特殊な技能を必要とする職人等も高齢化が進み、担い手不足という現実があります。もちろん後継者が全くいないわけではありません。しかし絶対的な労働人口の減少が顕著で、今後さらに深刻化していくのは目に見えています。

 

そこで注目されたのが、外国人労働者の受け入れ拡大です。これまでは就労ビザや資格外活動、技能実習等の在留資格が日本での就労を許可していました。しかし、それぞれの在留資格毎に労働の制約がある為、雇用する側も長期的に雇用しづらい環境だったという事実があります。

 

慢性的な人材不足がある職種の増加

 

少子高齢化に加え、働き方の変化によって慢性的な人材不足が問題になっています。行動経済成長期には肉体労働等に従事する人材が今日の日本経済の土台を作ってきました。しかし、昭和後期から現在にかけて、働き方の定義が大きく変わり、人材豊富だった職種が軒並み人材不足にあえいでいるのが現状です。

 

こうした少子高齢化や働き方の変化による人材不足が在留資格「特定技能」を新しく発行させる要因になっているのです。

 

特定技能ビザ対象業種はどんな業種がある?

対象業種である建設

特定技能ビザが発行されたと言っても、これまでの就労ビザや資格外活動のような、日本国内で働く事が出来る在留資格とどんな違いがあるか分かりにくい部分があります。

 

就労ビザは高度な知識や熟練した技術を活かして専門性の高い業種に従事する為の在留資格です。外交や教授、医療や研究等、自国でも従事する事が難しい職種ばかりです。就労ビザでは一般事務や単純労働のみを行うことは出来ません。

ちなみに単純労働とは、高度な知識や技能を必要とせず、短期間の訓練で行う事が可能な単純な労働の事です。

特定技能ビザでは、この「単純労働」が就労ビザとの大きな違いです。それでは特定技能ビザの詳細を確認していきます。

 

全部で14の業種に特定技能ビザが発行される

 

特定技能ビザは、以下の14の業種に対して発行される在留資格です。

 

  1. 建設業、
  2. 造船・舶用工業
  3. 自動車整備業
  4. 航空業
  5. 宿泊業
  6. 介護
  7. ビルクリーニング
  8. 農業
  9. 漁業
  10. 飲食料品製造業
  11. 外食業
  12. 素形材産業
  13. 産業機械製造業
  14. 電気電子情報関連産業

 

上記の業種で単純労働を含む就業が出来る在留資格が特定技能ビザという訳です。就業ビザを持っておらず、日本で就業したい外国人労働者はまず上記業種の特定技能1号ビザを取得しなくてはなりません。特定技能1号の取得には「日本語能力評価試験」と「特定技能評価試験」に合格する必要があります。

 

 

特定技能評価試験は1号と2号で違いはあるのか?

 

特定技能評価試験は、日本人が受ける技能試験とほぼ同じです。筆記のテストの他に、現場での実施試験も行われる業種もあります。実施場所は基本的に日本国内で行われますが、今後フィリピンなどの海外でも試験が行われる予定です。

 

特定技能2号は特定技能1号と違い、専門的且つ高度な技術が必要となります。その為、特定技能2号の取得には更に個別の評価試験があります。現在は「建設業」と「造船・舶用工業」の2種類のみが特定技能2号の対象となっています。試験自体は2021年度から実施される予定です。

 

日本語能力評価試験ではどのレベルが求められるのか?

 

日本語能力は、日本語検定と日本語能力判定テストのどちらかを合格する必要があります。日本語検定は諸外国の大学や日本語教師会といった権威ある団体が主催となって実施しているテストです。N5~N1まであり、N1が最も難しくN5が最も簡単なレベルです。特定技能ビザ取得の為には、N4以上の日本語能力が求められます。N4は日本語の授業をおよそ300時間程度受けると到達できるレベルと言われています。

 

日本語能力判定テストは、独立行政法人国際交流基金が実施しているテストです。これもN5~N1までレベルがあります。日本語検定と同様の資格と見なされますが、実施場所が日本国内に限られます。今後特定技能ビザの発行に伴い海外でのテスト実施も検討されているようです。

 

一つだけ例外があるのが「介護業」です。介護業では専門的な用語や、コミュニケーションが必要不可欠です。その為、介護業だけは日本語検定だけではなく、「介護日本語評価試験(仮称)」にも合格しなくてはなりません。特定技能「介護」を取得して介護業に3年以上従事し、「介護福祉士」の資格を取得すると、既存の就労ビザである「介護」に移行できます。

 

特定技能2号の対象業種は「建設業」と「造船・舶用工業」

 

特定技能1号については、先ほども述べたように特定技能評価試験と日本語能力評価試験に合格する事で取得できます。特定技能2号を取得できる業種は「建設業」と「造船・舶用工業」のみです。その為、宿泊業や外食業等の業種は特定技能1号までしか取得出来ません。

 

特定技能2号に移行する為には、別途試験を受ける必要があります。2021年度から試験を始める予定になっています。特定技能2号の試験は基本的に日本号能力評価試験が不要です。

 

特定技能1号と2号の違いは何?

特定技能1号2号の違いとは

特定技能1号と2号の大きな違いは、在留期間と家族帯同の可否です。就労ビザは、在留期間を更新することが出来ますが、特定技能1号では在留期間を更新することが出来ません。最大で5年を上限と定められています。

 

家族の帯同は特定技能1号では認められていません。特定技能2号では家族の帯同(妻と子のみ)が認められています。

 

特定技能1号と2号の違い一覧表

 

特定技能1号と2号の違いを一覧表にまとめました。

 

特定技能1号 特定技能2号
在留期間制限 通算上限5年 無し
家族の帯同 不可
1号から2号への移行
業種別 建設業、 〇移行可能
造船・舶用工業 〇移行可能
自動車整備業 ×移行不可
航空業 ×移行不可
宿泊業 ×移行不可
介護 △就労ビザへの移行可
ビルクリーニング ×移行不可
農業 ×移行不可
漁業 ×移行不可
飲食料品製造業 ×移行不可
外食業 ×移行不可
素形材産業 ×移行不可
産業機械製造業 ×移行不可
電気電子情報関連産業 ×移行不可

 

1号から2号への移行は建設業と造船・舶用工業の2業種のみです。介護業だけは先ほども伝えた通り、3年以上の従事と介護福資格の取得によって特定技能1号から就労ビザ「介護」への移行が可能です。

 

まとめ:特定技能1号と2号の違いを把握して外国人の積極登用を

積極的な外国人登用を

新しい在留資格「特定技能」がスタートしました。特定技能1号を取得した外国人労働者は、今後資格取得や特定技能2号の取得を目指します。雇用側も継続的な人材育成の為に、きちんと法律を理解して外国人労働者の育成を行っていく必要があります。

 

まだ始まったばかりの在留資格「特定技能」を有効に活用するのか、それとも移民法案だと否定されるのかは、外国人労働者を雇用する経営者の皆さん次第です。もちろん特定技能2号の範囲拡大と法整備は行政でも更に議論されて行くでしょう。14種の業種全てが特定技能2号の対象になった場合、法律を理解して外国人労働者を積極採用している企業は人材不足に悩まされることは無いでしょう。

 

企業の成長の為に、是非とも外国人労働者の積極採用と、特定技能2号取得のサポートをお願いします。