外国人雇用時の社会保険制度を丸ごと徹底解説!

外国人を初めて雇用するときは頭を悩ますことが多くなります。初めて外国人を雇用するときの大きな問題点のひとつとして、社会保険があげられます。

一番大事な「外国人雇用時に社会保険手続きが必要なのか?」という疑問に最初にお答えしておくと、外国人雇用時は社会保険手続が必要というのが結論になります。

しかし、社会保険制度には複数の制度があり、そのすべてを必要とされない場面もあります。そして、加入が必要だとしても日本人を雇用するときとの違いなどの疑問も出てくることでしょう。

そこで、ここからは外国人雇用時の社会保険の種類や、疑問について解説を行っていきます。

 

外国人雇用時に必要となる社会保険制度の種類を確認する

外国人雇用時に、事業主が考える必要がある社会保険は次の5種類です。

  1. 労災保険
  2. 雇用保険
  3. 健康保険
  4. 厚生年金
  5. 介護保険

まず、外国人雇用時に例外なく加入しなければならないのは、労災保険になります。外国人がパートやアルバイトであっても、雇用時は必ず加入しなければなりません。

つまり、労災保険以外の雇用保険・健康保険・厚生年金・介護保険の4種類については事業所や外国人本人の状況によって、加入する必要があり・なしになるということです。

厚生年金については、外国人も年金を受給する権利を得ることができ、日本で働く場合は厚生年金への加入が必須となる場合があります。

それでは、ここからは外国人を雇用したときに、どの社会保険に加入する必要があるのかを事業所の状況などを踏まえて説明していきます。

 

法人(株式会社等)の事業所が外国人雇用時に社会保険に加入するとき

保険制度について調べている様子

まず原則として、事業所が株式会社などの法人である場合は、社会保険への加入は必須となります。これは外国人を雇用する際に限った話ではなく、日本人を雇用する場合も同様です。

つまり、法人の事業所が外国人を雇用した場合は、

  1. 労災保険
  2. 雇用保険
  3. 健康保険
  4. 厚生年金
  5. 介護保険(外国人が40歳を超えている場合)

以上の、社会保険の加入手続きをする必要があるのです。

介護保険については、健康保険に加入している外国人が40歳を超えている場合は、加入する必要があります。

以上が原則となりますが、例外も存在するので、その点についても確認していきましょう。

 

外国人の労働時間が短い場合などは社会保険への加入は必要ない?

 

外国人をパートやアルバイトなどで雇用した場合、社会保険への加入が必要ないこともあります。社会保険の種類別にチェックしてみましょう。

雇用保険の場合

  • 週の労働時間が20時間未満の場合は加入必要なし
  • 31日以上の雇用を続ける見込みがない場合は加入必要なし

雇用保険は、週の労働時間が20時間未満の場合は、加入する必要がありません。留学生などの外国人が、アルバイトを行うときの上限が週28時間となっていることと比較しても、週20時間は比較的短い労働時間となっています。そのような短い労働時間の場合にのみ、雇用保険への加入義務がないということになります。

健康保険、厚生年金の場合

  • 週の労働時間が30時間未満の場合は加入必要なし(従業員が501人以上の事業所は週20時間未満の場合は加入必要なし)
  • 2か月以上の雇用を続ける見込みがない場合は加入必要なし

健康保険と厚生年金はセットで加入する必要がありますが、こちらは加入義務が発生する労働時間が、雇用保険よりも10時間長くなっています。とはいえ、留学生などの外国人がアルバイトをする場合の労働時間の上限は、週28時間となりますので、留学生などの外国人をアルバイトで雇用する場合などは、健康保険と厚生年金には加入する必要がありません。

会社の規模によっても、扱いが変わることに注意が必要です。また、事業所と労働者との間で、短時間労働者でも社会保険に加入することが合意されている場合は、社会保険への加入が必要になるなどの例外もあります。

以上のように、雇用する外国人の雇用条件によって、社会保険への加入が必要かどうかは変わってくるということになります。

 

個人事業者の事業所が外国人雇用時に社会保険に加入するとき

個人事業者が保険制度について調べている様子

個人事業者の事業所には、基本的に5人以上の労働者を雇用している場合は、社会保険への加入義務が発生します。

この「5人以上の労働者」は外国人のみで5人という意味ではありません。日本人も外国人も併せて5人以上の労働者がいれば、社会保険に加入する必要が出てきます。

しかし、5人以上の労働者がいる場合でも、法人の事業所のケースと同じく社会保険への加入は必要ない場合があります。以下に、該当する場合は外国人を雇用しても社会保険への加入は必要ありません。

雇用保険の場合

  • 週の労働時間が20時間未満の場合は加入必要なし
  • 31日以上の雇用を続ける見込みがない場合は加入必要なし

健康保険、厚生年金の場合

  • 週の労働時間が30時間未満の場合は加入必要なし
  • 2か月以上の雇用を続ける見込みがない場合は加入必要なし

 

まとめ:外国人労働者でも日本人と同じ扱い

保険制度について説明する女性

ここまで、外国人を雇用するときの社会保険の問題について解説しました。基本的な考え方は、「日本人と同じ扱いをする」となります。外国人だからという理由で、社会保険への加入をさせないなどの取り扱いはできないことになります。

雇用した外国人が社会保険への加入義務がある場合に、在留資格の更新手続きをするケースでは健康保険証の提示を求められます。外国人が健康保険証を提示できないことで、在留資格の更新を不許可にすることはないとされています。しかし、外国人が健康保険証を提示できないことで、社会保険に加入する義務がある事業所が、社会保険に加入していないと役所に知られることになります。

まずは、自社で雇用する外国人が、社会保険に加入する必要があるかを確認して、必要がある場合は加入手続きをすることをおすすめします。