特定技能なぜ導入されるのか…背景に潜む社会問題を徹底検証!

メディアで日々取り上げられている”特定技能”。

移民政策、奴隷制度等、様々な内容が飛び交っていますが、日本国内の社会問題から特定技能について考えていきたいと思います。

導入される背景

日本は現在、労働力人口(※1)は5年連続で増加していますが、少子高齢化に伴う高齢者の増加と少子化により、長期的にみると労働力人口の減少が想定され、社会問題として取り上げられております。

労働力人口とは…満15歳以上で労働する意思と能力を持った人の数を指します。労働力人口には、働く意思と能力が合って実際に働いている人と、働く意思と能力はあるけれども失業している人が含まれています。

労働力が減少すると、国内内需の増加を見越した新規の投資も控えるため日本の経済成長率は鈍化します。

経済成長率が鈍化すれば、国際競争力は下がるうえに、税収も下がり、国民の生活を支える社会保障費が不足し、様々な社会問題が発生します。

さて、この様々な社会問題とは…

様々な社会問題とは

年金制度

現在の年金制度は、現役世代が保険料を納め、その保険料が高齢者の年金支給に充てられる”賦課方式”が採用されています。つまり、現役世代の支払った保険料が積み立てられるのではなく、そのまま年金受給者へと渡る制度です。

しかし、2030年においては年金受給者が増え、年金受給者を支える現役世代が減少することから、より緊迫した状況になることは確実です

そのため、受給開始年齢の引き上げや支給額の減少も想定されています。

医療サービスにおける問題

医療サービスに対する負担も懸念する材料です。

現在の健康保険制度では、自己負担が1~3割、残りは国が負担する仕組みですが、総人口に対する高齢者の比率が高まることで、国の医療負担が重くなり、健康保険制度が立ちいかなくなる可能性も指摘されています。

サービスを提供する医療機関も十分な人材を確保できず、経営が難しくなっていくリスクもあります。問題を解決できないままケアを必要としていく高齢者だけが増え続ければ、希望する治療を受けられない人が出てくる可能性もあります。

現時点でも、医療従事者は都心部に集中し、地方都市における医師・看護師不足も深刻化しています。

介護業界における問題

高齢者を介護する様子介護業界では、資格制度の見直しや外国人労働者を増やすなど様々な人材確保への対応を行っています。

そのひとつとして、介護分野の人材不足を解消するため、”勤続分野が10年以上の介護福祉士の賃金を、月額8万円引き上げる”という政策の実施が決定されており、2019年10月から行われる予定です。

しかし、介護福祉士の勤続年数は約6年程度が平均年数のため、勤続10年以上の介護士は少ないのが現状です。

そのため疑問をもつ介護士もおり、人材不足を補う目途は現在のところ立っていないのが現状です。

介護を職とする働く人の数は年々増加していますが、団塊の世代が75歳以上となり、要介護者も急速に増えていくと予想される2025年においては、人材が大いに不足する状況に直面すると予想されています。

建設業界における人材不足

建設現場の様子平均年齢の高い建設業においても、人材(後継者)を十分に確保することが年々難しくなってきました。

東日本大震災の復興需要や2020年東京オリンピックパラリンピックにより、建設需要は高い水準を維持していますが、20代30代の労働者は過去20年間で半減しております。

人手不足の要因としては、長時間労働や危険汚いといったネガティブなイメージがあり、若年就業者の減少、離職率の上昇が指摘されています。

人材を確保するために政府の取り組みとして、国土交通省と厚生労働省は連携して、建設業魅力発信キャンペーンなどの広報活動や若年入職者の実技指導など、人材の育成に取り組んでいます。

まとめ

今回は日本における社会問題から特定技能を考えてみました。

少子高齢化により、労働力人口が不足し、経済成長が鈍化するという問題に繋がります。

どの業界でも人材不足といわれるなかで、より深刻な分野を対象とした在留資格”特定技能”の創設により、問題解消に向けた活躍が期待されています。

特定技能において外国人労働者は、介護業界、建設業界はじめ即戦力となるため、必要不可欠な人材となっています。

しかし、労働力人口全体に占める割合はわずか1%と主要国のなかで、最も低い割合となっているのが現状です。

更なる経済成長を遂げるためには、外国人労働者を受け入れ、グローバルに共生することが必要なのではないでしょうか。