日本で永住を許可された外国人とは…?

平成30年6月末現在、日本に在留する外国の人数は263万7,251人となり,前年末に比べて7万5,403人(2.9%)増加して過去最高の人数となりました。
日本には様々な種類の在留形態がありますが、その中でも「永住権/永住ビザ」を持って暮らす外国人と、その資格の性質について解説します。

「永住権」の主な特徴

永住権の一番大きな特徴は、在留期間の上限が無制限になることです。そして、原則としていかなる仕事にも就くことが可能になります。また、ビザの更新が不要になりますが、7年に一度の在留カードの更新は必要となってきます。

「永住権」を持って生活している外国人はどのくらいいるか?

現在、永住権を持つ外国人は75万9,139人を数え、在留資格の構成比のなかでも最も多い28.1%を占めます。在留資格には他に、特別永住権、留学、技能実習、技術・人文知識・国際業務、介護などがありますが、30%近い外国人が永住権を持って生活をしていることになります。

ちなみに特別永住権とは、第2次世界大戦終戦前から居住している在日韓国人・朝鮮人・台湾人およびその子孫に与えられた在留資格で、通常の永住権とは異なる性質を持っています。

 

永住権はどのようにして取得できるのか?

日本の「永住権」の取得は、その前段階で保有している在留資格を“永住者”へ切り替える手続きが必要になります。法務省が定める永住許可申請に則って申請が可能ですが、永住権を取得するためにはいくつかの条件があります。

 

滞在年数の条件

 

・継続して日本に10年以上住んでいるという条件をクリアすると永住ビザの申請をすることができます。

 

・高度外国人材として認められていると、3年間日本で生活した段階で永住ビザの申請が可能になります。

・高度外国人材の活動内容は,「高度学術研究活動」,「高度専門・技術活動」,「高度経営・管理活動」の3つに分類され,それぞれの特性に応じて,「学歴」,「職歴」,「年収」などの項目ごとにポイントを設けています。高度人材ポイントが80点以上であれば、日本での滞在期間が1年を越えた段階で永住許可申請が可能となります。

 

・日本人と国際結婚をしている場合、配偶者ビザであれば3年で永住権が認められます。

 

3つの条件

1:素行が善良であること

地域の住民の一員として、日本の法律を守って生活を営んでいることが求められます。
交通違反、罰金刑や懲役刑を受けている等の問題があると、許可を得ることが難しくなります。

 

2:独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

資産や技能面から見て、将来的に安定的した生活が見込まれる必要があります。これは永住許可申請をする本人のみならず、世帯全体として考慮されます。

また、単身者で年収330万円以上、夫婦で年収400万円以上、子供がいる場合は年収450万円以上の生計維持要件が求められる傾向があります。

また、年金や健康保険などの社会保険料を日本人と同じように納税していることが重要となります。(納税と社会保険料納付の2点については確実に行われている必要があります)

最近ではこれに加え、過去に転職があるような場合に、活動機関に関する届出を入国管理局に提出していることも求められます。

 

3:その者の永住が日本国の利益に合すると認められること

納税義務等公的義務を履行していることが求められます。国税や住民税を含む「納税」をしていない場合(納税証明書が取得できない場合)も永住権の申請が不許可になる可能性が高くなります。また、年金や国民健康保険料の支払いについても審査される場合があります。

 

公衆衛生上の観点から、現状生活している家の住環境等も考慮されます。

地域社会に有害となるおそれがないことが求められます。

 

永住権の許可が下りてから注意すべき点

晴れて日本での永住権を取得しても、日本国籍と同等の資格を得たわけではありません。永住権を持つ外国人にも引き続き住民登録が求められます。(住民登録基本台帳法が改正され外国人も国内居住地への住民登録が必要となりました)また、永住ビザを取得しても6年間以上日本にまったく居住していない場合には、永住権を取り消しとなる可能性が出てきます。つまり原則として6年以上日本に住民登録されていることが必要となります。

また、永住権の申請前と同様に、納税を怠ったり脱税などを含めた犯罪行為に関与してしまうと、日本国外への強制退去の対象となり、同時に永住権が剥奪されてしまいます。せっかく取得した永住権ですから、取り消し対象にならないよう注意が必要です。

さらに、しばらくの間本国に帰りたいと思っているときにも注意が必要です。1年以内に日本に帰ってくる場合には再入国許可は必要ありませんが、1年を越えて日本に帰ってこない場合には、必ず再入国許可の手続きをしてください。日本に1年以上戻ってこない出国が判っていながら、再入国許可の手続きをせずに日本から出国してしまうと、残念ながら永住権が失効してしまいます。

 

まとめ:生活スタイルに合わせた最良の在留資格を

パスポートの入国スタンプの写真

永住権の取得は決して難しいものではありません。現に約76万人の外国人が、法務省が規定している条件をクリアして日本に滞在しています。

 

永住権は在留期間の上限が無制限な上、就労できる職種にも制限がなく、日本に滞在する外国人にとっては最も取得したいビザになりますが、滞在のスタイルによっては永住権が最上のものというわけでもありません。例えば親の帯同などを考えている場合は、永住権の取得よりも「高度専門職第2号ビザ」の方が外国人にとってメリットが大きい場合もあるのです。

将来的にどのくらい日本に滞在したいか?どういう家族構成で生活したいか?希望する生活スタイルを現行の法律に照らし合わせ、最良の在留資格を取得することをお勧めします。