外国人雇用の注意点!採用のトラブルを避けるための4つのポイント!

高齢化と少子化に伴い、昨今は人材不足が問題になっています。人手不足への対策として、外国人雇用を視野にいれる企業も増えてきました。

 

しかし、外国人雇用にあたり、企業側も適切な在留資格や必要な届け出を知っておく必要があります。知らずに採用して、実は不法就労だったなんて問題になることも。

 

ここでは、外国人雇用のトラブルを避けるために、経営者や人事が知っておくべき注意点をご紹介します。今後、外国人の採用を考えている企業はぜひ参考にしてください。

 

外国人雇用の基礎知識!在留資格ってなにがあるの?

外国人の在留資格は何がある?

外国人を雇用するにあたり、まず大切なのが在留資格について知ることです。外国人が日本で働くには、仕事内容に見合った就労可能な在留資格を取得する必要があります。在留資格とはいったい何なのか?外国人を雇用する前に、在留資格の基本を押さえておきましょう。

 

適切な在留資格を持たない外国人を雇用していると、不法就労になる可能性があります。また、どの在留資格が就労を許可されているのか、知っておくことも採用時のトラブルを避ける大事なポイントです。

 

在留資格とその種類:就労可能な在留資格を知ろう

在留資格とは、政府が外国人に日本での特定の活動を許可し、滞在できる期間を指定するものです。
2019年1月時点で28種類の在留資格が設定されており、種類によって申請できる条件が異なります。
また、就労が特定の範囲に制限されているもの、原則禁止されているもの、就労の制限がないものとわかれています。

 

  • 在留資格に定められた範囲で就労が可能な種類

外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、技能実習、特定活動

 

  • 原則として就労が認められない在留資格

文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在

 

  • 就労に制限のない在留資格

永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者

 

外国人雇用で使われるケースが多い3つの在留資格

外国人のプログラマー

2017年末で、日本で就労資格を経て滞在する外国人の数は23万人に上りました。
外国人を雇用するには、仕事内容に合わせて在留資格を申請します。
一般的に、申請数が多いのは以下の3種類の在留資格です。

 

  • 技術・人文知識・国際業務

技術職や専門職などホワイトカラーの採用に使われます。
プログラマー、マーケティング、経理、広報、通訳者など、幅広い職種に適用されます。単純労働とは区別され、専門的な仕事に従事すること、およびそれと関連した学歴や職歴が必要です。

 

  • 企業内転勤

外国の事業所や親会社からの転勤の際に使われる在留資格です。

 

  • 技能

中華料理店やフランス料理店のコック等、日本人では換えの利かない技能を有している外国人が利用できる在留資格です。
使用できる分野と、求められる経験年数が細かく決められています。

 

ほかにも、途上国から技術を習得するために来日する「技能実習制度」も、25万人以上1と広く使われています。

以上が、外国人を雇用するにあたりまずは押さえておきたい在留資格の基本です。
それを踏まえ、雇用時にトラブルを回避する4つのポイントについて、以下に詳しくご説明します。

 

その1:外国人採用の注意点!就労可能な在留資格なら即雇用できる?

日本に中長期で滞在している外国人は、すでになんらかの在留資格を有しています。求人に応募してきた外国人が、どのような在留資格を持っているのか確認しましょう。
在留資格を確認するには、

 

  • パスポート
  • 在留カード

 

のいずれかで確認できます。

 

旅行者等の短期滞在の場合は、パスポートを確認します。中長期に滞在している外国人は在留カードで確認するのが一般的です。
採用する外国人が仕事内容に見合った在留資格を持っていない場合は、雇用契約書の締結後に、新たな在留資格を申請するかもしくは変更の届出を行います。

 

新たな在留資格の申請が必要ないケース

以下の4種類の在留資格は、就労に制限がありません。そのため、雇用の際に新たな在留資格を申請することなく、就労を開始できます。
雇用後に在留資格が許可されるかどうか心配する必要がないため、雇用者と就労者の双方にとって、スムーズに勤務が開始できる在留資格です。

 

  • 永住者
  • 日本人の配偶者等
  • 永住者の配偶者等
  • 定住者

 

仕事内容によって新たな申請が必要なケース

採用予定の外国人が就労が可能な在留資格を持っていたとしても、自社の雇用で引き続きその在留資格が使えるとは限りません。
たとえば、「技能」の在留資格を持ちコックとして働いている外国人が、転職して食品会社の輸出入を担当するマーケティングに採用された場合、「技能」の在留資格は適切な種類ではありません。
専門職を対象とした「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を申請する必要があります。

 

ほかにも、経理として「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で働いていた外国人が、転職して管理職につく場合には、「経営・管理」の在留資格に変更する必要が出てくる可能性もあります。
外国人が有している在留資格の種類が、自社での仕事内容に合ったものであるか、必ず確認しておきましょう。

 

その2:トラブル対策!留学生は誰でもアルバイトできる…わけじゃない!

留学生のアルバイトの様子

外国人雇用の際、注意したいのがアルバイトの採用です。飲食店のホールスタッフやコンビニの店員など、たくさんの外国人が働くのを見かけるようになりました。
しかし、こうした「単純労働」に区分される仕事では、就労可能な在留資格の申請は認められていません。では、彼らはどのような在留資格で働いているのでしょうか?

 

まず考えられるのが、就労に制限のない「永住者」や「日本人の配偶者等」の在留資格です。
働ける仕事が制限されていないため、コンビニの店員やスーパーのレジなど、パートタイム・アルバイトにも応募できます。
次に多いのが、「留学」や「家族滞在」の在留資格です。とくに、外国から勉強を目的にやってくる留学生は、学費と生活費の工面のためアルバイトします。
このような留学生がアルバイトをするには、事前に資格外活動の許可を得る必要があります。

資格外活動の許可を得ている場合、在留カードの裏面にその旨が記載されています。表面が「就労不可」でも、裏面を必ず確認しましょう。

 

その3:悪質な斡旋ブローカーに要注意!詐欺や不法就労の落とし穴

外国人雇用の際は、外国人を専門に斡旋する人材派遣・紹介会社を利用することもできます。
こうした斡旋会社は、法律に詳しい行政書士とも提携しているため、在留資格のサポートを実施している場合も多いです。
ところが、中には悪質なブローカーも存在します。外国人をだまして、在留資格とは異なる内容の仕事に従事させたり、本来なら在留資格の申請条件に満たない学歴や職歴の外国人を紹介したりします。

 

こうした行動は、「不法就労」となり、雇用した事業主にも罰金が科される可能性があります。
入管法によれば、3年以下の懲役または300万円以下の罰金です。在留資格は種類ごとに申請条件が異なります。
「大丈夫だから」という悪質ブローカーの声には耳を傾けず、不法就労にあたる外国人は雇い入れないようにしましょう。

 

その4:外国人雇用後に注意すべきポイント!届け出と支払いはきっちりと

外国人を採用して、無事に在留資格を取得。勤務を開始すれば、それで終わりではありません。
外国人を雇った企業には、「外国人雇用状況の届出」が義務付けられています。
この届出は、オンラインまたはハローワークを通じて厚生労働大臣に届け出るものです。外国人の雇用状況を把握するために利用されます。

 

雇った外国人の氏名・在留資格・在留期間等を記載します。届け出を忘れたり、虚偽の報告をした際には、30万円以下の罰金が科せられます。
対象となるのは、正社員だけでなくアルバイトの外国人も同様です。(ただし、「外交」「公用」および「特別永住者」の在留資格は除きます)

 

また、「外国人だから安い労働力だ」と考えるのは間違いです。外国人でも、定められた最低賃金は守らなければなりません。
就労可能な在留資格を持っている場合、「(同じような仕事内容の)日本人と同等の給与」を得ていることが取得の条件であることも。
さらに、異文化の違いを理解することも円満な職場環境に大切です。オリエンテーションで職場のルールを伝えるなど、こまめなコミュニケーションが、外国人にとって働きやすい環境を作ります。

 

まとめ:外国人雇用に不安があれば、専門の人材会社に相談を

人材専門の担当者

外国人の雇用でまず大切なのが、在留資格です。
いま持っている在留資格の種類がなにか。自社での雇用の際、どのような在留資格が適しているのか。きっちりと把握しましょう。
外国人が有している在留資格で許可された仕事内容と異なる仕事に従事させるのは、不法就労になる恐れがあります。

 

また、就労が原則禁止されている「留学」や「家族滞在」の外国人をアルバイトとして雇用する場合、週28時間の勤務が可能になる「資格外活動の許可」を得ているのか必ず確認しましょう。

 

仕事の内容に適した学歴や経験をしっかりと持っている専門人材が必要であれば、外国人を専門に派遣する人材会社に依頼する選択肢もあります。
行政書士と連携して、在留資格のアドバイスをくれるところもあります。うまく連携すれば、スムーズな外国人雇用を実現できるでしょう。